一目で分かる青の洞窟 シュノーケリング
実質住宅価格がどれだけ割高かを月で、○%も割高になっていました。
○年6月末時点でもまだ○%割高となっています。
これまで3回あった住宅ブームの平均的な元離率は7%でしたので、今回は過去に例をみない大規模なバブルだったことになります。
過去4回のバブル崩壊時を見てみると、実質住宅価格はこの傾向線よりも4〜○%程度下振れることがわかります(平均すると6%の下振れ)。
つまり、バブルが崩壊するとそれまでの反動で住宅の買い控えが起きるのに加え、不況が拡大することによって、通常の伸びで計算した価格(傾向線)よりも、さらに価格が低下するわけです。
今回のサブプライムローン問題ではその傾向線からの元離率を○%(○年と同じレベルまで低下)と想定し、この間のインフレ上昇率などを勘案すると、ピーク時から○%近く下落する可能性があります。
実質住宅価格のピーク(○年○月)から○年6月末時点で7.7%しか下がっていません。
傾向線より○%下にくるためには、あと○%下落することになります。
この水準に達するには、名目ベースの住宅価格では○%下がることになるのです。
住宅価格の下落ペースが今後、年率○%ぐらいだと考えると、あと3年ほどで傾向線の○%下に到達して、下げ止まることになります。
今回の金融危機は○年秋が激震だとすると、あと3年くらいは余震が続くということです。
ところが、住宅価格が下落すると、住宅ローン残高のほうが、住宅資産よりも高くなるケースが出てきます。
もし、その個人がほかに金融資産(例えば、現金や預金、株式や債券など)を持っていれば、それを取り崩して債務の返済に充てればよいのですが、さて、これによってどれぐらいの規模の不良債権が発生するかが大きな問題です。
住宅バブルの崩壊で発生する不良債権というのは、名目住宅価格の下落率と時間によって決まります。
ここでは、先ほど眺めたようにアメリカの名目住宅価格が3年をかけて、○%下落するとしましょう。
反動分を見込んで、2002年と同じレベルまで下がるという想定です。
家計のバランスシートで考えると、住宅価格が上昇しているときは、住宅資産のほうが住宅ローン残高より大きくなるので、純資産は増えることになります。
サブプライムローンの契約が急増した時期は、まさにこの状態だったので、問題は発生しなかったわけです。
金融機関からすると、ローン残高と住宅価格の差が回収不能となり、ここで不良債権が発生してきます。
これが、いま起きているサブプライムローン問題のもっとも根元にある問題点です。
名目住宅価格が3年をかけて○%下落するという前提で、専門的な計算を行うと、○年以降増加した住宅ローン7兆4000億ドルのうち、9100億ドルが資産価値のないローンとなります。
もちろん、この3年の間にも、低調かもしれませんが新規住宅ローンは組まれ、その一部が不良債権化して3600億ドル程度は損失が発生すると思われます。
この合計1兆2700億ドルが、潜在的な不良債権ということになります。
○年○月の国際通貨基金(IMF)の報告によれば、金融機関の損失は今後数年間で約1兆4050億ドル、このうちすでに損失処理されたのは6330億ドルです(国際せん。
一般にアメリカの家計貯蓄率は低く、国民の多くは借り入れを活用しながら生活しているので、その余裕はほとんどなく、時を置かず住宅を手放すことになってしまいます。
特にサブプライムローンを借りていた消費者にその傾向が強いことは想像に難くありません。
IMFの報告は、先ほどの名目住宅価格が3年をかけて○%下落するという前提に近い数値ですが、もし仮にこれが○%の下落にとどまると予想するなら、5000〜6000億ドルの損失となり、先に見たこれまでの損失処理の範囲で済んでいることになります。
実際の住宅価格はまだ○%も下落はしていませんが、どうもそれでは終わりそうにないと覚悟しておいたほうがよいでしょう。
実は売りに出された住宅には、まだ値がついていないものもあり、それが下落に反映されていないからです。
もし住宅価格が○%下落するとしたら、先には恐ろしい事態が待っています。
最終的な損失は2兆ドルを超え、そうなるとアメリカの全銀行の株主資本1兆3000億ドルを大幅に上回ってしまい、すべての銀行を国有化しなければならない事態に陥ってしまいます。
損失の確定には困難が伴います。
○年代の日本でも、大手銀行が巨額の赤字決算を出しながら不良債権処理を行い、これで峠を越えたかと思ったら、また翌年に赤字決算を出すというケースが多数見られました。
予想外の地価下落が続いて、新たに不良債権が発生したからというのが言い訳でした。
結局は下げ止まりがはっきりしないと、損失の確定はできないのです。
バブルで上がった分、下がればよいかというとそうではなく、反動でより下落が進みますし、実体経済に影響が及び、その連鎖によってさらに下落が続くという要素もあります。
いずれにしても、アメリカではこれから残りの潜在的な損失が露わになる過程が待っていて、それを処理するための努力が続けられるはずです。
政府は投入するための公的資金を準備し、その枠は多めにとっておく、あるいは枠を設けず、「必要額を投入」とするほうがよいのかもしれません。
一方、アメリカの金融機関は、不良債権を償却するためにその原資を捻出し、またリストラを進めていく必要があります。
今後は新規の融資にはいっそう慎重になるでしょう。
日本の金融危機でも、不良債権処理が6〜9割進んだ段階がもっとも厳しい時期でそれでは、これからのアメリカ国民の生活はどうなっていくのでしょうか。
アメリカの2007年の可処分所得は○兆2000億ドルです。
景気が回復した2002年以降、「パリバ・ショック」前の○年4〜6月までの間、家計は年平均で1兆1000億ドルほどの新規融資を受けていました。
その1兆1000億ドルを全額消費や住宅の購入資金、預金に回していたわけです。
住宅ローンは所得の一部から返済するのがふつうです。
バランスシート上は、借金の返済も貯蓄として考えるので、本来なら住宅ローンの返済が増えると、貯蓄率が上がっていくはずです。
ところが○年から○年まで、家計は年間で1兆1000億ドル借り入れをして、消費に回すと同時に、ローンの元利返済も行うという状況が、アメリカでは続いていました。
したがって、この間、貯蓄率も上がっていません。
サブプライムローン問題以降、金融機関は新しい不良債権が出ないようにと、融資には慎重になっています。
実体経済が不況になると所得が増えない上に、いままでのように簡単には新規融資が受けられなくなります。
現にFRBの調査によれば、アメリカの銀行の貸出態度は、○年の調査開始以来もっとも厳しくなっています。
貸出基準の厳格化は住宅ローンのみならず、企業向け貸出にも及んでいます。
○年4〜5月期には、ついにアメリカ家計は借金ができなくなって、返済超になりました住宅ローンの元利返済をするための新規借入は、もうあてにできなくなりました。
すると、所得を貯蓄(つまり返済)に回し、消費はどんどん落ち込んでいきます。
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